日食

溶接するときに目を保護するガラスを借り、日食を見る。その場にいた人かわるがわる、「見えた。見えた。」 少し日差しが弱まり、気温が下がった。どのくらい前に発せられた光の恵みを受けているのか、考えると気が遠くなる。小さな小さないきもの。そんなちっぽけな生き物が、ひとつの星を台無しにしようとしている。小さないきものが、ちいさな愚行を。そして積み重なる。悪いことは、積み重なる。
今日見た太陽を忘れずに。
by海山さち